通貨のお勉強-byまなちゃん(2011.10.04)2
通貨のお勉強-byまなちゃん(2011.10.04) その2
コンテンツ-通貨のお勉強
【1.好景気にはハイリスク通貨で決まり!】
世界には数多くの国と通貨が存在しますが、
その中には、「ハイリスク(リスク選好)通貨」と、「ローリスク(リスク回避)通貨」があることは、
為替の動きをみる上で、基本だと思うので、覚えておいて損はないと思います。
「ハイリスク通貨」を、一言でいえば、
「世界経済の状況が良く、人々がリスクを取りたがる時期に、積極的に買われる通貨」
のことです。具体的には、新興国通貨や、資源国通貨の多くがこれに該当し、
概して、金利が高い(目安として、公定金利が年3?4%以上)、という特徴があります。
「ハイリスク」といっても、その通貨を発行する国が危ない(リスク高い)とは限りません。
このグループの中には、豪ドルやNZドルのように、安定した経済経営をしている先進国の通貨も含まれます。
では、なぜそのような国の通貨がハイリスクと見なされるかというと、
金利(=資金調達コスト)が高いか、或いは通貨の市場流通量が少なく、変動幅(ボラティリティ)が大きいからです。
例えば豪州やNZは、歴史的に、金利水準が高い水準で推移してきた国です。
いずれも人口が少なく、自国での資本形成を待っていられなかったお国柄。
そこで高い金利を武器に、海外から資金を導入し、
移民導入や資源輸出を通じて、それ以上の経済成長を実現することによって、運営されてきた国です。
しかし、金利が高いことは、通貨にとって、両刃の剣でもあります。
世界的に経済状況が良く、お金がジャブジャブ余り、かつ豪州やNZの資源や一次産品を、中国やインドがしこたま買ってくれるようであれば、
高金利の豪州やNZに、お金が集まり、豪ドルやNZドルの価値も上がります。
しかし、一旦、世界経済が冷え込むと、逆の流れになります。
豪ドルやNZドルから、資金が一気に引き上げられることにもなりかねません。
米ドルや日本円などと違って、豪ドルやNZドルの流通量など、タカが知れてますから、
下手したら、わずか数週間で、諸外国通貨に対して10?20%の暴落、なんてこともありえます。
豪州などとは文脈を異にしますが、工業立国を目指す新興国の通貨も、動きとしては似たようなものです。
中国みたいな、巨大な人口・市場を持つ国は別として、
多くの新興国は、海外から資金や技術を導入して、高い効率で回すことで、経済成長を実現しています。
日本の近くでいえば、例えば韓国ウォンも、ハイリスク通貨と見なされます。
マレーシア、タイ、フィリピンなど、東南アジアの多くの新興国の通貨がハイリスクであることは、言わずもがな。